沖縄県の郷土料理は、琉球王国時代からの歴史や、亜熱帯気候、そして中国や東南アジア、日本本土、アメリカなどからの影響が混ざり合い、独自の発展を遂げました。健康志向で栄養バランスが良く、「医食同源」の考え方が根付いていることも特徴です。以下に、できるだけ多くの郷土料理を紹介します。
1. 主食
-
沖縄そば
小麦粉で作られた麺を使った沖縄独自の麺料理。豚骨やカツオを使ったダシが特徴。具材には三枚肉(豚バラ)、ソーキ(豚のスペアリブ)、かまぼこなどが乗る。 -
じゅーしぃ
沖縄風炊き込みご飯。豚肉や昆布、ニンジン、しいたけなどを入れて炊き込む。祝い事で出される「クファジューシィ」と、汁気の多い「ヤファラジューシィ」がある。 -
白米(泡盛粕の炊き込み)
昔は米が貴重だったため、さつまいもや雑穀を混ぜて食べることが多かったが、現代では白米が主流。泡盛の酒粕を使った炊き込みも沖縄ならでは。
2. 肉料理
-
ラフテー
豚の三枚肉(バラ肉)を醤油、泡盛、砂糖で柔らかく煮込んだ料理。コクがあり、口の中でとろける。 -
ソーキ
豚のスペアリブを使った料理。煮込んで柔らかくし、そばのトッピングやそのままおかずとして食べられる。 -
テビチ
豚足を煮込んだ料理。コラーゲンが豊富で、プルプルとした食感が特徴。おでんに使われることもある。 -
ミミガー
豚の耳を細切りにして酢味噌やピーナッツソースで和えた料理。コリコリした食感が楽しい。 -
チラガー
豚の顔の皮を調理した珍味。燻製にしたり、炒め物や刺身として食べられる。 -
イリチー
豚肉や野菜、こんにゃくを炒めて煮詰めた料理。油味噌で味付けすることが多い。
3. 魚介料理
-
イカスミ汁
イカスミを使った真っ黒なスープ。イカや野菜が入っており、コクのある独特な味わい。 -
マース煮
魚を塩(マース)だけで煮たシンプルな料理。魚の旨味が引き立つ。 -
グルクンの唐揚げ
沖縄県魚である「グルクン」(タカサゴ)を丸ごと揚げた料理。外はカリカリ、中はふっくら。 -
豆腐よう
発酵させた豆腐を酒粕や紅麹で熟成させた珍味。濃厚でクリーミーな味わい。 -
モズク酢
沖縄産の太いモズクを酢で和えた料理。さっぱりとしており、健康食品としても人気。
4. 野菜・豆腐料理
-
ゴーヤチャンプルー
ゴーヤ(ニガウリ)を豆腐、卵、豚肉などと一緒に炒めた料理。沖縄料理の代表的存在。 -
フーチャンプルー
小麦粉を水で練って焼いた「フー(麩)」を野菜や卵と炒めた料理。 -
豆腐チャンプルー
島豆腐(沖縄独特の固めの豆腐)を野菜や豚肉と炒めた料理。 -
ナーベーラーンブシー
ナーベーラー(ヘチマ)を豚肉や味噌と煮込んだ家庭料理。 -
パパイヤイリチー
青い未熟のパパイヤを千切りにして炒めた料理。野菜感覚で食べる。
5. スープ・鍋料理
-
中身汁(なかみじる)
豚の内臓(中身)を使った澄まし汁。祝い事や法事でよく出される。 -
ソーキ汁
ソーキを使った汁物。昆布や大根と一緒に煮込むことが多い。 -
イナムドゥチ
味噌ベースの豚肉と野菜が入った濃厚な汁物。
6. スイーツ・おやつ
-
サーターアンダギー
沖縄風ドーナツ。外はサクサク、中はしっとり。 -
チンスコウ
ラードや砂糖、小麦粉を使った焼き菓子。ほろほろとした食感が特徴。 -
ムーチー(鬼餅)
月桃の葉に包んだ餅菓子。祝い事や健康祈願で食べられる。 -
ポーポー
黒糖を練り込んだ薄い生地であんを包んだお菓子。
7. 飲み物
-
泡盛
沖縄特有の蒸留酒。古酒(クース)と呼ばれる熟成酒が人気。 -
さんぴん茶
ジャスミン茶で、沖縄の家庭で親しまれる飲み物。 -
ルートビア
アメリカ統治時代から親しまれる薬草風味の炭酸飲料。
沖縄料理は、地域の風土と長い歴史を反映し、多様で栄養価が高く、独自性に富んでいます。観光地のレストランや家庭での味付けも微妙に異なり、食べ比べも楽しめます。